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【R18】Querer【創作BL】

第9章 濁音 *





ギリッ…





「…ッ」


「これ以上暴れないでください。
死んじゃいますよ?」





後頭部を殴られて身を守ろうとしたが、
何もかも遅かった。

長瀬の方が上。

日頃から肉体維持のために身体を鍛えていたが
情けないことに力も敵わなかった。





「くッ」





食い込むほど肉体を締め付ける縄。

ガムテープも巻かれて拘束される始末。



激しく抵抗していたから
脱がされたのはジャケットだけ。



スラックスは無事。



ワイシャツには俺の血が付着してしまった。





「綺麗なお顔に傷つけるつもりは
なかったんですが一発はごめんなさい。

早く冷やすべきなんでしょうけど…



いい眺めですね。

唇が切れて、牛垣さんの紅い血液が
まるでルージュのように潤って美しい」





長瀬は指を伸ばして下唇に触れ、
俺は反撃のつもりで
指を噛み千切ってやろうとした。





「おおっと。狂犬ですね~。
これは躾甲斐がありそうだ」


「っ…ふざけるな。
副部長の息子だろうがなんだろうが
俺に手ェ出してタダで済むと思うなよ」


「それはどうでしょうかね?
もっと盛り上がるものを持ってくるので
少し待っててくださいね」





長瀬は俺を拘束したことを良いことに、
部屋をいったん出て行った。


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