第8章 白濁
結局、長瀬は何も知らなかった。
犯人までたどり着くことができず
食事が終わる。
「あの、牛垣さん」
「なんだ?」
「湊の家、知ってますか?
じつは返しそびれていた物があって…」
「ああ。知っているが…」
「良かった!
じゃあ今から俺の家に行きましょう!
牛垣さん使うのも気が引けるんですけど、
郵送するにも住所分からなくて」
「ああ。それくらいなら」
アルコールを摂取してしまったので、
タクシーに乗車する。
付き合っていたのに湊の家を知らなかった。
だがしかし、
湊の住む1DKの狭さを知っているので、
行為をするには心持たなさも分かる気もした。