第8章 白濁
しかし、その教師は
この会社に立ち入ることはあり得ない。
内部の人間に告発したとして、
わざわざメールを流すのはリスクが大き過ぎる。
「メールってことは聞かされてたんですけど、
なにが書いてあったんですか?」
「……○○課所属 角湊は
男とSEXして悦ぶ、と書いてあった」
「……、」
「塾の教師からも
似たようなことを言われたそうだ。
長瀬は直接聞いたのだろう?」
教師は偶然一緒にいたという長瀬の前で、
「男とSEXできて嬉しいか?」と罵倒を放った。
「長瀬は、
角とそういう関係にあったのか?」
「はい…。
初めは全くその気はなかったんですけど。
意識したら…その、
我慢できなくなってしまって。
牛垣さんはなりませんか?
男が好きって聞いたら、
意識するとか気持ち悪いとか、って…」