第8章 白濁
やはり一番最初に口を開いたのは、
お調子者の安村だった。
「最初はやっぱ驚いて、
正直どうしたら良いのか分かりませんでした。
けど俺は、
これからも湊さんと仲良くしたい!
あのメールは悪意しか感じないっス!」
「私も同じです!
あのメール送りつけた人見つけ出して、
一言二言文句いってやりたいですっ!!」
「そうですわ!
これでは湊くんがあんまりですわ!
私も全力で闘います!」
「湊くん、格好良くなって…、
振られた人の逆恨み、なんじゃないかって。
危ない事件とかありますし…。
主任。湊くんのこと守ってあげてください」
「角が真に受けたのはそういう事
なんだろうけど。
戻ってきたら俺は今まで通り接しますよ」
「うちは社内恋愛自由だしね。
同性愛どうのこうの
会社自体に迷惑かけてる訳じゃないんだし、
僕も現実を受け止めます」
「俺いうことなくなったなー…。
あ、でも、やっぱ意識しちゃうよな。
嫌な意味じゃなく、なんて言ったらいいんだろ。
とにかく俺も味方ってことで!
一緒に働いてきた仲間ですから!」
「主任なら…言い寄られてもアリです」
「ぶほおっ!!
進さん、なにこの場でぶっちゃけてんスか!?」
「安村はナシだ」
「俺も〜」
「告ってもないのに同時にフラれたッ!!」
それぞれの考え方があるようだが、
この場所に帰ってきても湊の居場所はある。
本人に直接、声を届けてやりたいところだ。