第3章 気付き
扉が閉まった。
ブチャラティがいなくなり、空いた席にフーゴが座った。
「組織に入ったからって、油断しすぎないでくださいよ」
せっかくの休みなのに・・・申し訳ないなあ。
空になったジェラートのカップを握りしめた。
「フーゴ・・・ごめんなさい私・・・馬鹿だった」
「・・・・・」
呆れられたよなぁ・・・私、みんなに心配かけちゃったかもしれない。
やっぱり家なんて出なきゃよかった・・・。
「とりあえず・・・今日は帰って休んでいてください。それと、家を出るなら・・・面倒ですが誰かと一緒に行動してください。僕じゃあ無くても構いませんが・・・」
目を逸らしてフーゴはそう言った。
嫌だ。
そんな顔しないで。
私はフーゴがいいの、フーゴといたいのに。
そんなことを思ってフーゴを見ていた。
「本当に、ごめんなさい。でも、ありがとう・・・すぐに駆けつけてくれて嬉しかった。」
私が笑ってそういうと、フーゴもこっちを見て少し微笑んだ。