• テキストサイズ

落ちる。 【GIOGIO】【フーゴ】

第3章 気付き



「お姉さん、お暇ですか?」



背後から声をかけられて、弾かれたように振り返ると、
首に鋭い痛みが走った。
体の力が無くなり、ベンチから崩れ落ちる。

ジェラートは無惨にも私の手から滑り落ちた。

視界が悪くなっていく中顔を上げると、かつて私を追っていた男が私を睨んでいた。

「最近見かけねぇと思ったら・・・呑気にジェラートかァ?」

死ぬ。
やっぱり出歩くんじゃあなかった。
意識が朦朧とする中、ぼんやりと、零れたジェラートを見つめた。

男は右手にスタンガンを握っていた。
私が振り返ったのが良かったのか、急所が外れたらしく、かろうじて意識もあったし、動くことも出来た。

「助けて・・・だれか・・・ッ」

涙も涎もとめどなく溢れてきて、意識を手放そうとした瞬間、肩を掴まれて無理やり起こされる。

死ぬんだ。
さようならみんな、さようならフーゴ・・・・!



「おい!しっかりしろ!!!!!」

私の肩を掴んで体を揺らしたのは、黒髪をサラサラ靡かせたブチャラティだった。

「ブチャラティ・・・・・」

無気力に名前を呼ぶことしか出来なくて、支えられた体にも未だ力は入らない。
ふわっと体が浮く感覚がして、私はジンジン痛む首の感覚をも手放した。
/ 53ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp