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落ちる。 【GIOGIO】【フーゴ】

第3章 気付き


帰って直ぐに、湯船にお湯を貯める。
鏡に写った私の顔が思った以上に火照っていた。

体にまだ腰に添えられたフーゴの手の感覚が残ったまま、温かいお湯に浸かった。
お気に入りの入浴剤が疲れた体を満たしていく。

・・・明日・・・フーゴは何して過ごすのかなぁ・・・


え、私さっきからフーゴのことしか考えてなくない?
胸がドクドクした。
自分がフーゴのことばっかり考えていたことに気づいてから、鼓動の動きが近くに感じた。
なんだろう、この感覚、
まるでフーゴの事が好きみたい・・・・・_

!?
好き?!私が・・・?!

勢いよく湯船から上がったので、大きな目眩が私を襲う。
壁に手を着いて体を支えて、深呼吸して落ち着かせる。

だめだ、私がフーゴのことを好きだなんて、そんな・・・。
一気に酔いが覚めてしまった気がしたので、すぐにお風呂から上がって
何も考えずに眠った。


翌朝。というか、もうほぼお昼。
昨夜は死んだように眠ってしまったので、寝癖がひどい。
今日は天気がいいからジェラートでも食べに行こうかな。
1人であまり出歩くなと言われていたけど、ちょっとだけならいいよね。

いつもより少し薄化粧で、足軽に家を出る。
日曜日のイタリアは賑わっていて、街のみんなは楽しそうにしている。
前働いていたバイト先にも顔を出してみようかな〜。なんて呑気に歩いていた。

私が好きなジェラート屋さんは街の外れにある、少し静かな場所にある。
チョコレートのジェラートを受け取って、日陰のベンチに腰かけた。
風がわたしの前髪を揺らす。
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