第3章 気付き
しばらくみんなで他愛もない話をして、気付けば、アバッキオとも初対面だと忘れ、会話が弾んでいた。
「ブチャラティとアバッキオは同い年なんだ?」
「ああ。前はまさか1番年下のジョルノがボスになるなんて、思っても無かったな。」
昔の話をする時のブチャラティはどこか楽しそうで、みんなの雰囲気もかなり柔らかくなる。
「まさかナランチャがフーゴより年上だーなんて思わねぇだろ?」
ミスタはお酒を飲み出してから終始にやにやしている。
その気持ちもわかるが。私も完全に酔っていて、いつもより口数が多くなっていた。
「ナランチャはいつまで経ってもガキだもんな」
フーゴも酔ってるのか顔が赤い。
「フーゴお前ェ!」
みんなフワフワしていて、何だか面白くて笑っちゃう。
私が油断しているとそれを狙ってミスタは空になった私のワイングラスにまたワインを注いだ。
「おいミスタ、ナマエに飲ませすぎだろ」
ブチャラティが阻止してくれるが、私も酔っているので「平気よ!」なんて言ってまたお酒を飲んでしまう。
そんな会話を聞いて、フーゴは心配そうな顔をしていた。
明日が休みでよかった。
私はどうやらしばらく眠ってしまっていたらしく、気付けば、机に突っ伏して眠るジョルノ、ソファで倒れているミスタとナランチャ。「今日は久しぶりに楽しい酒を飲めた。ありがとう。」と置き手紙を残して帰って行ったブチャラティ。そして眠る3人(私含め4人)を起こさないように静かに話すアバッキオとフーゴが居た。
「、ナマエ、起きたのか」
私の肩にはブランケットをかけてくれていた。
「もうお開きですね」
「そうだな、こいつらは・・・このままでいいだろう」
アバッキオは立ち上がり、ジョルノとミスタ、ナランチャにもブランケットをかけてあげている。私とフーゴも立ち上がり、軽く伸びをした。
少し寝たけれど、正直まだ視界はぼやけていた。頭がクラクラして、身体が熱い。
でも気付かれないように、アバッキオに続いて部屋を出た。
「また集まろうぜ。ナマエも、またな」
「ええ、お疲れ様」
「ありがとう、またね」
アバッキオに手を振りながら、その後ろ姿をぼんやりと見ていた。
油断するとふらついてしまいそうで、何とか意識を保つ。
ちょっと今日は飲みすぎた。完全に調子に乗りすぎた・・・。