第3章 気付き
その日も昨日と同じくらいの時間まで与えられた仕事をして、いつも通りフーゴに送ってもらう。
と思っていたのだが、今日はジョルノがボスになる前のチームのメンバーがたまたま揃うらしいのでみんなで飲み会を開くそうだ。
夕日が沈んできた頃、客室にはジョルノ、ミスタ、フーゴ、ナランチャが集まっていた。
玄関から見えるところに部屋があるから、帰る前に一応顔を出しておくことにした。
「お疲れ様です、私はこれで。」
「んぉ、帰るのかよ?せっかくだし一緒に飲まねぇか?」
ミスタがそう言ってくれるけれど、私はせっかくみんなで集まるなら邪魔したくなかった。
「お気遣いありがとう、でもせっかく久しぶりに会うんだったら、私が居たら邪魔しちゃうし・・・」
「んなの誰も気にしねぇよ、ナマエが嫌だっつぅんなら話は別だがよォ」
ナランチャも賛同して私を誘ってくれる。
私はどうしていいか分からずジョルノの顔をちらっと伺う。
「ナマエ、どうですか、良かったら一緒に。」
ボスにそう言われちゃあ、ねえ・・・。
そこまで言われて特に断る理由も無いので、開けてくれた席におずおずと腰掛ける。
「ナマエはお酒、飲めるんですか?」
隣に座っていたフーゴが私の前にワイングラスを置いてくれた。
「少しだけ。あまり飲まないんだけど・・・」
昔バーで働いていた時に少し飲んでいたが、すぐに酔ってしまう体質なのであまり飲む機会がなかった。
飲むこと自体久しぶりで、いざお酒を前にすると少しワクワクした。