第2章 ようこそ
「くれぐれも無理はしないでください。いいですか。・・・頑張ってくださいね。では。」
そう言って彼は部屋を出た。
なんだろう、普段彼は業務連絡みたいな事しか話さないからか、そういうふとした優しさが身に染みる。
真面目で誠実で、ジョルノのそばで一緒に働くのが似合いすぎるような彼が、どうしてこんな私のために時間を費やしてくれているんだろう。私にはもったいないくらい素敵な人だ。
彼が私の護衛に着いてくれて良かったと思う。安心するのはもちろん、これからもっと打ち解けられたとしたら、彼はどんな話をしてくれるんだろう。
私はしばらくデータ入力作業を始めるまで彼のことを考えていた。
緑色のスーツは穴あきだけれど、彼は穴どころか隙が全くなさそうな性格をしていそう。ああいう人を怒らせたら怖いってことはわかる。
真面目な執事って感じの性格だけど、お酒とか飲んだらどんなふうに酔うんだろう。車を運転するみたいだけど、上手なのかな・・・。
まだ温もりのある紅茶を一口飲んで、私はパソコンに向かった。