• テキストサイズ

黒尾くんと同級生ちゃん

第12章 それはずるい


「倉尾ー、行かねぇの? 」


日向くんを食堂に促しながら、黒尾くんが私に声をかけてくれる!


『あっ、行く! じゃあ、雪絵ちゃんかおりちゃん、あとでね! 』
「はいよ〜」
「楽しんでおいで♡」


2人は少しイタズラっぽい笑顔で、手を振って私を送り出してくれた。


日向くんは月島くんやリエーフくんと話してて。
木兎くんは赤葦くんの肩を組んで。
私は必然的に、黒尾くんと並んでこの団体の1番後ろを歩く。


「もう随分と仲良しですネ? 」
『あはは! 同い年だし、みんな良い子ばっかりだからねー! 』
「ホント、意外と喋れるヤツだよなあ。」
『黒尾くんもね? 見た目胡散臭いのにね? 』
「胡散臭くないデスーっ。紳士的だろ? 」
『どうかなー? 』


いつも通り話してる。
話せてくることを祈る。

ああでも、隣にいて話せることが、今までの何倍も嬉しく感じてしまう。

好きになるって、こういう気持ちだったなあ。

忘れかけてた感情。
久しぶりに思い出す。


『黒尾くん。マネージャー、誘ってくれてありがとう。』
「は? 」
『黒尾くんがあの時誘ってくれなかったら、こんなに素敵な友達出来なかったなあ! 』


本当に。
心底そう思う。


「あー...まあ。」
『ん? 何? 』
「いや...こちらこそデス。」


きっと、私が急にお礼を言ったから照れたのか。

黒尾くんは、頭をグシャッと撫でてきた。


『うわぁ! 』


大きくて温かい手。


『...黒尾くんって、こーゆーの、誰にでもするタイプでしょ。』


私がどんな気持ちかも知らないで。
どんなにドキドキしてるかも知らないで。


「...んなことねぇよ。」
『え? 』


どういう意味?

そう聞こうとしたところで、食堂について。
「あー腹減ったー! 」なんて言いながら、前にいる木兎くん達のところに行ってしまった。

えっ。
え?

どういう意味?
/ 115ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp