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黒尾くんと同級生ちゃん

第12章 それはずるい


「お。流石。」


黒尾くんはそう言ってくれたけど。


「あの...これすげーバランス悪くないスか。」
『あっ! ごめん! 』


身長のこと考えてなかった!!


『もう1回組もうか? 』
「いいじゃねーか! 昼間やれないことやろーぜ! 」


黒尾くんが赤葦くんの疑問をウヤムヤにした。

ああごめん赤葦くん、元気な2人と一緒だね...。

今度からは身長と赤葦くんの心労度合いも考えてチーム分けよう。

私がひっそりと反省をしている間に、試合は始まって。

試合だし、得点板を用意して。

“ネコ”、“フクロウ”とチーム名をチョークで記入して、点数を入れながら経過を見守る。
たまに『ナイスキー! 』なんて声をかけながら。


「リエーフ! 横っ跳びすんじゃねぇ! リードブロック! 」
「は、はいっス! 」
「ブロック、間に合う時はちゃんと止まって上に跳べ! 」
「はい」


試合しながら、後輩のことよく見てるなあ。
そして的確な指示。
黒尾くん凄いな。
久しぶりに、なんでもそつ無くこなす黒尾くんを見た。


「あの〜...」


入口から、雪ちゃんの声。


『あ、雪絵ちゃん! 』
「雪っぺー! 」


木兎くんのアダ名可愛いな。


「そろそろ切り上げないと、食堂閉まって晩ご飯お預け〜...ですよ? 」


雪絵ちゃんの言葉に、みんながガバッと時計を見る。
またこんな時間!

メシだメシー! とはしゃいで出ていく木兎くん達。


『雪絵ちゃんありがとう〜! 全然時計見てなかった! 』
「全然〜。ゆっくり食べておいで〜。」
「お腹減ったでしょ? 」
『うん、言われてみれば...。』


私が雪絵ちゃんと、一緒に来てくれてたかおりちゃんと話していると。


「チビちゃん。続きは明日。な? 」
「! ハイ! 」


まだ練習し足りない様子の日向くんを、黒尾くんが宥めている声が偶然聞こえて。

いや今のはずるい!

練習が終わって少し油断した。
気を抜くとまた“好き”が頭を埋めつくしそう。

でも! 今のはさ!


「...今のはズルいね~。」
「うん。私、ちょっとキュンとした。」
『だよね!? 』


私の思考を読み取ったかのように、同じように黒尾くんの声を聞いてた雪絵ちゃんとかおりちゃんが言った。
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