• テキストサイズ

黒尾くんと同級生ちゃん

第16章 春への1歩


私がみんなのところに戻ると、黒尾くんと誰かが言い合いをしている姿が見える。
他校のジャージ...?


『...大将くん? 』
「......え、舞衣ちゃん? 」
『やっぱり大将くんだよね? 美華の...』
「あー、そうだけど...」


親友の元彼。
そうだ。
大将くんも戸美のバレー部主将だと、美華が言っていた。

黒尾くんと大将くんは、何やら言い合いをしているけど。
...美華と別れたこと突っ込まれてるし、美華と別れたことは私が黒尾くんに話しちゃいました。ごめんね。

でも美華、実はまだ大将くんのこと好きだと思うんだけどなぁ...。
遊んでくれないから拗ねてるだけで。

あ、そうだ。

私はポケットからスマホを取り出して、トントンと操作する。

今日は予定がないと言っていた親友へ、1通のメッセージ。


「倉尾ー、行くぞ。」
『あ、はーいっ。』


やっくんの声に呼ばれて、慌てて荷物を持つ。

会場に1歩入ると、さっきの女子の熱気も相まって、大きな歓声が聞こえる。

今日は4校での試合。準決勝から始まる。そして、負けても3位決定戦があるからこの中の2校と対戦する。
そして、1勝でもできた時点で、春高進出が決まる。

ここを勝てたら、その時点で春高決定で決勝進出...。

だけど。

黒尾くんの緊張が混じった顔。

黒尾くんだけじゃない。
ここにいる部員はみんなだ。

だって私達は、相手がいかに強いかを、きっと出場校の中で1番知っている。

夏の間、何度も試合した相手だから。

ワッと、会場の歓声が一際大きくなる。
同時に始まる“木兎”コール。


『...すごいなぁ。』


思わず口をつく独り言。
改めて、大きな相手と夏合宿をしてたんだと、実感する。

春高への代表決定戦。
音駒の初戦相手は、梟谷学園。
/ 115ページ  
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:なごんだエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白い
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp