第2章 臨時マネージャーはじめました
「や、悪い奴らじゃねーんだけどさ。」
『うん。何となくわかる。』
「はは。そんで、夜久と昨日話し合って、倉尾さんはどうかって。」
『2人の間で話題が出て光栄ですー。』
「ドーモー。」
なんて、少しふざけあって。
「まぁ、マネージャーって言っても、記録とか面倒なやつはなるべく俺らがやるから。ビブス用意とか、ドリンク補充とか、そんなもん? 簡単な仕事しか頼まねーよ。向こうにもマネージャーいる高校あるし、そのへんのと協力してもらえれば。」
『そっか。私に出来ることなら、全然。』
「マジ?」
まあ休みが潰れてしまうけど、たまにはこんな日があってもいいだろう。家にいてもどうせ勉強も捗らない。
他校の人と話すことも、私にとってはそんなにハードルが高いわけじゃない。
所謂雑用くらいなら、私でもできることがあるだろう。
『うん、やるよ、マネージャー。臨時だけど。』
「助かる。ありがとな。」
夜久パイセンに連絡しとこー、なんていって、私の机に勝手にスマホを置いてメッセージを送り始める。
こうして、断る理由が特にないから何となく引き受けたバレー部の臨時マネージャー。
これが私にとっての大きな分岐点になった。