第8章 ガールズトーク イントゥーザナイト
翌日も、朝早くから練習だ。
今日は梟谷グループの父兄の方が朝ご飯づくりのボランティアに来てくれたおかげで、私たちのご飯作りは免除。
雪絵ちゃんと潔子ちゃん、かおりちゃんと同じテーブルでご飯を食べる。
「今日は5時までだっけ〜」
「烏野は何時に帰るの? 」
「確か、バスの時間が5時だったはず...」
『なら練習終わるのはもう少し早いのかな。』
「そうだね〜片付けの時間もあるし〜」
まだ眠い頭で、ご飯を口に運ぶ。
「月島ー!! ちゃんと食え!! 」
「西谷さん、胃は大きいんですね。」
「なんだとー!? 」
黒いジャージを纏った烏野メンバーは、朝から元気だ。
いや、朝とは思えないほどに元気だ。
「倉尾。」
後ろから、黒尾くんの声がして振り返る。
見慣れた赤いジャージに、朝からセットバッチリな髪型。いつの間に。
『おはよ、黒尾くん。』
「おー。はよ。」
朝、教室に入った時に交わすいつもの挨拶。
「あのさ、午前の練習入る前、犬岡のテーピング見てやってくんね? 」
『あぁ、昨日の...。』
昨日の午後練の終わり頃、ブロックに跳んだ犬岡くんは少し指を痛めてしまったらしい。
大したことは無いようだったけど、テーピングはあった方がいいだろう、なんて昨日の夕ご飯の時に誰かが話してた。
「ああ。あいつ昨日も自分でやってたけど、あんま上手く出来てなかったし。俺は午前練の前に主将ミーティングがあるんだわ。」
『ん、わかった。様子みてやっとく。』
「おー。よろしく。」
黒尾くんはそう言うと、他のマネージャーの子達にぺこりと頭を下げてから、眠そうにやっくん達の方へ向かった。
『...ニヤニヤしないでよ。』
「え〜? してないよ〜? 」
目の前の雪絵ちゃんは、いつもふわふわした顔を更にニヤニヤさせてこっちを見ていた。
「舞衣ちゃんと話したくてわざわざ来たんだと思うけどな〜。」
『業務連絡だったじゃん! てか、みんなはどうなの!? ほら! 木兎くんとかエースだし! 』
「単細胞エースはなぁ...。」
「ないよね〜」
『烏野の澤村くんも、どっしりしててかっこいいんじゃないの!? 』
「...澤村は、お父さん感が強い。」
「お父さん...」
「たしかに〜」