第8章 ガールズトーク イントゥーザナイト
『え? 』
沈黙。
そして。
「えええええ!? 」
「そうなの!? 」
『や! 待って待って!! 違うから! 』
「違うの〜? 」
興味津々、と言った顔で近づいてくる、かおりちゃんと英里ちゃん。
『違うよ雪絵ちゃん!! 』
「あれ〜、絶対そうだと思ったのに〜。」
『なんで!? 』
私、そんなふうに見られる会話黒尾くんとしてた!?
手とか繋いでないし!
「お昼休み、体育館で肩抱かれてるの見たから〜」
『あれかあ...』
あれか。
そうだ。
あったな。
忙しくて忘れてたけど。
思い返すとまた少し頬が熱くなる気がする。
『あれは何でされたかわかんないけど...私がお昼ご飯食べないから呼びに来たんだよー。』
「そうなの〜? 」
『そうそう。』
雪絵ちゃんを納得させようとしたのに、「でもさ、」と口を開いたのはかおりちゃんだった。
「音駒主将の、“俺のだから取るな”オーラが凄いよね。」
「あ〜、それ私も思ったわ〜。」
「...私も。」
『潔ちゃんも!? 』
てゆーかなんだそのオーラは。
わかんない。
感じたことない。
驚いている私に、潔ちゃんが続ける。
「...前に、音駒がうちに来た時とかも、凄く思った。舞衣ちゃんが他の人と話してると凄く見てるし、凄く気にかけてるから、付き合ってるのかなって。舞衣ちゃんも、よく見てるし。」
『え、私も!? 』
私そんなに黒尾くんのこと見てるんだろうか。
いや...まあたしかに、1年の頃から見てたし...。
目に入ると意識がいくのかもしれないけど...。
人に指摘されるくらい見てたのかと思うと、少し恥ずかしい。
「どーなの?? てかさ、そもそも仲良いんだよね?? 」
かおりちゃんは楽しそうな顔で聞いてくる。
『仲...うーん、悪くは無いけど、黒尾くんよりは他のふたりの方が仲良いかなあ。』
「え、そうなの? 」
『うーん...黒尾くんと話すようになったの、本当に最近だし。』
「そっちのがビックリだよ!! 全然そんなかんじしない! 」
『えっ、そう? 』