第8章 ガールズトーク イントゥーザナイト
洗い物も終わり。
お風呂にも入って。
「はああ〜〜疲れた〜〜。」
雪絵ちゃんは布団に倒れ込む。
男子はみんな、特別教室棟に固まっているけど、女子はそこから少し離れた教室棟。
そんなに人数も多くないし、普通の教室に布団をしいて寝ることになった。
今回寝る場所になったのは、1年2組。
黒尾くんが1年生の時のクラスだ。
『あはは、お疲れ〜。』
「舞衣ちゃんもお疲れ〜。みんなお疲れ〜。」
布団に倒れ込んだまま、雪絵ちゃんは言う。
「雪絵ー、寝る前にアラームセットしてよ。」
「かおりがするから大丈夫〜。」
「もー...。」
かおりちゃんがトントンとスマホをいじり。
それに合わせて、私や潔ちゃんもなんとなく自分のスマホでアラームをセットする。
『明日、7時起きでいいんだっけ? 』
「うん。明日は朝ごはんの準備いらないもんね...。」
私と潔ちゃんが確認し合いながらアラームをセットすると、
「そう、ご飯!! 」
生川マネの英里ちゃんが、急に大きな声をあげた。
「な、なに!? 」
「真子ちゃんとかおりちゃん、なんでイワシ買ってきたの? 」
『あぁ...。』
調理場を震撼させたイワシ事件。
「あぁ〜...や、なんかさあ。カレーとサラダだけじゃ足りないかなぁって。ねえ? 」
「そうそう。もう1品、って思ってスーパー見てたら、安いのがイワシで...」
「「とりあえず買って調理班に任せようと...」」
2人とも、バツが悪そうに目を反らす。
「...ふふっ。確かに、キッチンで悩んだよね。」
それに笑ったのは、潔ちゃんだった。
『ふふ、ほんとだよ! でもみんなで作って楽しかったね〜! 』
「丸投げしてごめんー! 」
『いいよいいよ! 雪絵ちゃんが捌いてくれたし! 』
「えぇ!? 雪絵が!?」
「さばいたよ〜」
『食べたいという執念だけで捌いてくれたよ。』
「あんたほんと...」
呆れ顔で雪絵ちゃんを見るかおりちゃんと、にこにこしてる雪絵ちゃん。
「でも、本当に沢山食べるんだね。雪絵ちゃん。」
『あ、私も驚いた。一緒に食べてた人、梟谷の主将でしょ? ぼくと...くん? だっけ? 』
「そーそー、木兎だよ〜。」