第7章 カレーに煮詰めた想い
夕ご飯こそはマネージャー同士で!
とか言ってたのに。
やっとカレーを盛り終わって来てみれば、
「ちょーーっと! なんで私ここなのよ! 」
「ワガママ言うなよ雀田ー。ちょっと俺の話きいてー? 」
「どっちが我儘よ! てか木葉の話は聞き飽きた!! 」
「雪っぺ! 大食い勝負しようぜ! ほらここ! 座って! 」
「いいけど〜木兎、負けてもしょぼくれないでね〜? 面倒だから〜。」
見事に梟谷マネのかおりちゃんと雪絵ちゃんは、梟谷メンバーに捕まっていた。
『みんなでご飯は無理そうだね...。』
「うん。どこ座ろうか...。」
私と潔ちゃん、仁花ちゃんがキョロキョロしていると、
「清水ー。こっち来るか? 」
澤村くんの声。手を挙げて、潔ちゃんに場所を教えている。
その澤村くんのすぐ側に、黒尾くん。
黒尾くんと目が合って。
黒尾くんは少し笑って。
澤村くんみたいに声はあげなかったけど。
ちょいちょいと手招いて、「おいで」としてくれた。
『行こ! 潔ちゃん! 』
私は潔ちゃんと仁花ちゃんの背中を押して、ダブル主将のもとへ促す。
私達は、2人の主将のそばに座る。
潔ちゃんは、澤村くんの目の前。
潔ちゃんの左隣には仁花ちゃん。
私はまた、黒尾くんの前の席。
左隣に潔ちゃん。右隣は...
『研磨くん。』
「...お疲れ...。」
研磨くんはゲームをする手を一瞬止めて、私の目を見てそう言ってくれた。
『いいの? 幼なじみコンビのお邪魔して。』
「...邪魔じゃないよ。むしろ、オレが食べてる時クロうるさいから。そこにいて、クロの相手してくれると助かる...。」
「うぉい! てかうるさかねーよ! 」
「それ...もう声もうるさい。ウチの母さんより色々言う...早く食べろとか、ゲームやめろとか...。」
「それはお前が寝ずにゲームやってるからだろうが! 」
よく考えたら、幼馴染ときく彼らの会話を間近で聞くのは初めてだ。
こうしてきいてると、お互いの気を遣わない感じというか、何となく伝わる。
まぁ1学年違うのに、今でも同じ高校で同じバレー部でやってるくらいだし。
本当に仲がいいんだ。