第7章 カレーに煮詰めた想い
『ええ、練習の最後にサーブ100本!? 』
「そうだよー! 」
『腕もげそうだね...。』
「あはは! サーブこそが究極の攻め!ってのがうちのスタンスだからねー!」
「烏野は、すーっごい攻撃型だね〜。」
「うん、でも練習に来れてない1年生コンビがいて...その2人が1番の攻撃型ってかんじかな。」
「へえ〜、ガッツある1年生だね〜。」
お互いの学校の話で、盛り上がって。
楽しい。
バレー部のマネージャーにならなきゃ、出会わなかった人達。
高校も、生まれた場所だって違う。
なんなら違う学年の子もいる。
でも、同じところで合宿をする、バレー部のマネージャー。
そんな共通点だけで、また新しい人と出会えた。
しかもこんなに優しくて、気が効いて可愛くて、素敵な人たちと。
これは黒尾くんに感謝だな。
おしゃべりに花を咲かせながらも手は休めないところは、みんな流石としか言いようがない。
周りの雰囲気に飲まれて、私も自然と動きが早くなっている気がする。
イワシには苦戦したけど、雪絵ちゃんが「食べたい」という一心だけでめちゃくちゃ綺麗に捌いてくれてよかった。
私が味付けをしてイワシを焼いている間に、英里ちゃんはサラダを作り、雪絵ちゃんはお箸やお皿を用意してくれる。
ちなみにご飯は、宮城から烏野が持ってきてくれたもの。
炊けたご飯を、みんなでこっそり味見した。
始めて食べた宮城県産のお米。
思ったより違いがわかって、英里ちゃんと雪絵ちゃんと感動したけど、潔ちゃんはピンと来ていない顔だった。
そうこうしながら、全員分として足りそうな量は一応全て形になった。
5校合わせてかなりの人数分。下手したら、どこかの学校の1学年に相当しそうな人数分だ。
終わった頃にはもう逆におなかいっぱいだった。
鍋に大量のカレーは、正直もう見飽きている。
作り終わったところで、様子を見に来てくれた他のマネージャーと合流して。
みんなで布団を敷きに行く。
「荷物端に寄せてって言ったじゃん! 」「まぁまぁ木兎だから〜。」なんて、たまにボヤキも入りながら。
梟谷、生川、森然、烏野、そして音駒。
全てを周り終わって食堂に戻ると、ポツポツと人が集まり始めていた。