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黒尾くんと同級生ちゃん

第6章 夏合宿やるってよ


翌朝。
午前7時。いってきますと家を出て、一本道を歩く。

今日は何だか早く目が覚めた。
朝練に行く日よりは遅い出発だけど、普段の朝にしては早い出発。
昨日、潔ちゃんと話したからかな。

黒尾くんの家の前を通り過ぎて、もうすぐ研磨くんの家(正しくは、黒尾くんが研磨くんの家だと勝手に紹介してくれた家)に差し掛かるところで、


「倉尾? 」


後ろから、声をかけられた。
聞きなれた声。


『黒尾くん。』
「早いのな。」
『黒尾くんもね。』
「俺は早く行って朝寝るのが日課なんデスー。」


あぁ。朝練で疲れてる日だけじゃないのか。そういえば。
確かに、朝練関係なく、朝は机に突っ伏してる。


『ギリギリまで寝てから来ればいいんじゃないの? 』
「遅刻すると悪いだろ。」
『やっぱり変なところ真面目。』
「ウルセー。」


黒尾くんと並んで歩く。
通り過ぎる研磨くんの家。


『今日はいいの? 研磨くん。』
「あいつを呼ぶのは朝練の日だけ。朝練ない日は、あいつ朝5時くらいまでゲームしてるからなぁ。起こすと怒る。」
『えぇっ、5時? 凄いね。私だったら途中で飽きちゃう...。』
「俺もゲームは飽きるタチなんでね。何で寝る時間削ってまで出来るか分かんねーわ。」
『ふふ。...起こすと怒るって...研磨くんさぁ、意外と顔に出てるよね? 』
「あいつわかりやすいだろ? 」
『黒尾くんもわかりやすいけどね? 』
「僕は本心隠してるんデスヨ。」
『えぇ、それはなんか...やだね。』
「なんでだよ。」
『わかりやすいほうが可愛いよ。』
「俺は可愛いじゃなくてかっこいいーって言われたいんデスー。女の子に騒がれたいんデスー。」
『はいはい。かっこいいかっこいい。』
「いや、雑すぎんだろ。」


いつの間にか、ずっと喋ってられるくらい、続くようになった会話。
どうでもいい会話。
他愛のない会話。
中身のない会話。
...楽しいと思ってしまう会話。
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