第3章 烏野高校排球部
最終日、烏野高校の体育館にお邪魔する。
烏野高校の人達は、たまに訛ってるけど賑やかで個性的。
...烏合の衆って感じもする。烏だし。
部員同士は、挨拶をしたり...山本くんは睨み合いをしてたけど...やっくんは向こうの3年生と早速話してたし。うん。仲良くやれるはず。たぶん。
「倉尾ー。」
黒尾くんの声が私を呼んだ。
『はあい、なに? 』
「烏野、マネージャーいるらしいから。今日はそっちと色々やってくれると助かる。俺らのところ来て欲しい時は呼ぶから。」
黒尾くんはそう言うと、烏野の主将さん?に私を促した。
「この子、倉尾舞衣。今回の合宿期間中だけ、臨時マネージャーしてもらってるんで。」
「あぁ...倉尾さん、宜しく。」
澤村大地くんと言った彼は、烏野のマネージャーを呼んでくれた。
「清水ー。」
目の前に現れたのは、びっくり綺麗な女の子。
黒いジャージと黒髪。口元の黒子すら似合って見える。
『あ、倉尾舞衣です。よろしくおねがいします。』
「...こちらこそ、よろしくおねがいします。清水潔子です。」
名前まで綺麗。
「清水、この子臨時マネージャーなんだって。一緒に仕事してもらってもいい? 」
澤村くんの問いかけに、清水さんはコクリと頷いた。
なんというか、これがクールビューティーか。といった感想。
「じゃ、よろしく〜。烏野のマネさんもよろしくお願いしまーす。」
手をヒラヒラさせて、黒尾くんはみんなをまとめる為、輪に戻って行く。澤村くんも。
『あの、私マネージャーとか初めてで...色々教えてください。』
「こちらこそ...上手く教えられるかわからないけど...。」
『そんなそんな! 清水さんは、マネージャー長いの? 』
「1年の時、澤村...うちの主将に誘われて。」
『そうなんだ...。私もここに来る数週間前に、うちの主将に誘われたの。』
バレー部に入ってもないのに、『うちの』とか勝手に言ってしまったけど、まぁいいか。
『お揃いだね』、なんて声をかければ、清水さんは少し笑って「そうだね」って言ってくれた。
前言撤回。クールビューティじゃない。
いや、顔はとても綺麗だけど。
少し恥ずかしがり屋の女の子だ。