第7章 言えぬ思い〜信長編〜
『だからあ奴らを誘ったのか!』
『はっ、何言って、そんな事.....痛いっ!』
そんな事を空良がするはずが無い事は、俺が一番分かっているが、もう止められなかった。
目の前に、忌々しく残る爪痕を消したくて、空良のやわ肌に噛み付く様に痕をつけた。
『貴様を......甘やかしすぎた様だ』
俺を拒むとは、まだまだ仕込みが足りんと見える。
『んっ............やっ、痛いっ、信長様』
『貴様は、俺だけを感じて生きて行けば良い、貴様は俺のものだ、空良』
痛がる空良に構わず、血の滲む痕を刻んでいくと、
『ごめんなさい』
痛みを堪えながら、空良は俺を優しく抱きしめた。
『っ、..... 空良.....』
怒りが少し和らぎ空良を見ると、空良は目を閉じ俺の口づけを受け入れた。
『んっ...........』
空良の吐息がかかり愛おしさが募る。
『空良、貴様は俺のものだと言え』
貴様の心を手に入れたい。
『っ、....................』
俺の言葉に戸惑いただ見つめ返す空良に歯痒さを覚え、その後も言葉を言わせようと空良を責め続けた。
結局奴の口から言わせる事はできず、己の欲を奴の中にぶちまけた時に、空良が気を失っていることに気付いた。
・・・・・・・・・・・
「.......酷い戦をしたものだ」
己の感情を抑えることも出来ず、好いた女を追い詰める様に抱いた。
少しずつ、空良の心は開いておったのに......
傷だらけの身体に軟膏を塗り終わり、空良の寝巻きの紐を結び袷を閉じた。
「俺も一緒に眠るが、嫌がるなよ?」
布団に入り、空良の熱い体を抱きしめて目を閉じた。