第7章 言えぬ思い〜信長編〜
子供のように純粋で、全く穢れのない空良と過ごす時間は擽ったくもあり、もどかしくもあり、けれど俺の一番楽しみとする時間となった。
何をしても、何も言っても、空良と言う存在は面白く興味深くて、顔を見るだけで吸い寄せられる様に口づけが止まらなくなった。
口づければ身体が火照り抱きたくなる。しかし、優しく愚かな刺客は全く俺の命を狙ってこない。
『そう言えば、最近は口づけを拒むのはやめたのか?』
『っ、拒めば拒む程長くされるから、諦めただけです』
『ふっ、賢明な判断だな』
いつからか、口づけを拒まなくなった空良に己の欲は膨らむばかりで.....
侍女なのだから、手を出した所で文句はいえないだろうが、理由なく無理やり押し倒す事は、奴の綺麗な心を傷つけるようで、何故か憚られた。
『?何だ、言いたいことがあるなら言え』
『........べ、別に、どうせならいつも三食別々で食べたいと思っただけです』
『ふっ、朝から可愛いことを言うのはこの口か?』
『は?.....んっ』
顔を赤らめ、全身に力を入れて俺の口づけを受け止める。
『ん、.............っ、ふっ、...........ん、』
やがて力が抜けて俺の腕の中に落ちる空良を堪らなく愛おしく可愛いと思うようになった。
抱きたい欲は膨らむばかりで、もう我慢も限界となり、毒針事件をきっかけに、俺は理由をつけては空良を抱いた。
俺しか知らぬ空良の身体は、俺が教えた通りに反応する。
どれだけ嫌だと憎まれ口をたたいていても、口づけと刺激を加えてやれば、たちまちに身体は俺を受け入れる。
そんな素直な反応を見せる空良にどんどん惹かれていった。
そして俺の目には、空良が戸惑いながらも俺に少しづつ心を開いているように見えた。
だからこそ、今朝俺の腕の中で愛らしく目覚める空良を、天主の中や閨の中だけでなく、もっと自由にさせてやりたくなり、城内ならと許可を出したのだ。