第6章 言えぬ思い
信長様の感情が流れ込んで来る。
私の事を.....本当に心配してくれたんだと痛いほどに伝わって来る。
「信長様....」
見つめ合い目を閉じれば、自然と唇が重なった。
「んっ...........」
私は........この人の事を...............
奇しくも、母上が父上への気持ちに気付いた時と同じ様に、私もあの時、無意識に信長様の名前を叫んでいた。
同じ男なのに、同じような事をされたのに、あの人達には嫌悪感と恐怖しか感じなかった。
「んっ、..........っ、ん、信長様....」
信長様には、まだ知らない世界への恐怖こそあれ、自分自身が深みにはまっていくのが怖いくらいに、その快楽に溺れて行ったのに.......
「空良、貴様は俺のものだと言え」
私の着物を全て剥ぎ取り、下に手を伸ばしながら信長様は掠れた声で言った。
「っ、....................」
それは.............言えない。
「空良」
「っあ..........」
指が、お湯と一緒に私の体の中へと侵入した。
この数日間、散々抱かれた身体は指一本でも簡単に反応する。
「俺が、欲しいと言え」
「あっ、.......やっ....」
指は、私の弱いところを責めながら、イキそうになるところで止めては熱を煽って来る。
「言わぬと....やらんぞ、空良」
意地悪な指は浅いところをゆっくりと抜き差しし、私に欲しいと言えと誘いかける。
「い、いらない、っぁ、ん、欲しくない!」
もう.......本当は辛い。
信長様が欲しいと身体はいやらしくひくついていて、きっとこれも信長様には分かってる。
でも.........,
「っ......いらない」
さっきの男たちも言ってた。信長様が、私の様な女を相手にする訳ないって........
今、私に執着するのは、信長様のいっ時の戯れだ。
それに私は、..........この人を好きになる事は許されない。