第6章 言えぬ思い
「本当に、貴様は強情な女だ.....」
信長様は指を抜くと、一気に大きな熱を私に埋め込んだ。
「やぁっ、ぁぁっん!!」
身体が大きく痙攣した。
「阿呆が、こんなにも俺を欲しがるくせに、っく」
「はっ、っぁ、欲しく...ない........やぁっ!」
お湯のぶつかり合う音が湯殿に響く。
ただでさえ熱いのに、さらに熱を与えられて息苦しい。
「っぁ、信長様......ぁ、熱くて、ん、苦しい....」
頭も、ぼんやりとして来た。
「もっと苦しめ、あの様な輩に貴様を見られただけでも気が狂いそうなのに、触れさせた挙句命乞いとは.........俺が、どれほど苦しいか、貴様も思い知れ!」
「っ、ぁ、.......ぁっ、ごめん.......なさい......」
「悪いと思うなら、貴様は俺のものだと言え!」
更に下から突き上げ私の体を揺さぶり、信長様は私の言葉を欲する。
本気で...................私を.........?
「はっ、.......ぁっ、............私は...違う...ぁ、ぁっ」
本当は、......そんな風に言われて心が躍るなんて、言えるはずがない。
本来ならば、私たちは出会うこともなかった。
私はただの領主の娘で、あなたは天下を目指す人。
それでも出会ってしまった理由はただ一つ。
「あぁっ、..........」
あなたは.........私の家族を殺した........
「空良」
「んっ」
答えを待ちきれず焦れた唇が重なり、舌を絡ませ呼吸を奪われた。
私から全てを奪った男は、私に女としての悦びを与え、切ないほどに私を求めて来る。
「っ.............信長.......さ.....」
言葉に出来ないなら、せめて抱きしめたかったけど、湯の中での情事で逆上せ、口づけの息苦しさ、そして絶頂へと上げられた私は、そのまま信長様の腕の中で意識を失った。