第6章 言えぬ思い
男の手は私の胸を掴んだ。
「んん!!!」
「柔らけー」
「本当か?俺にも触らせろよ」
もう一人は興奮して爪を立てる様に握ってきた。
「んっ!!!んーーー!」
(痛いっ!やめてっ!)
気持ち悪さと恐怖で、肌が粟立つ。
「あっちも相当良いもん持ってんじゃねーのか?」
「ああ、もう我慢できねぇ、相当遊んでそうだしな、濡らさなくても入るだろ。お前ちゃんと手押さえてろよ」
「分かってるよ、あっ、お前中に出すなよ!俺も後から挿れるんだからな」
まるで、日常のやりとりの様にされる会話に絶望感が襲う。
この人達は、常日頃からこんな事をしているんだろうか?
こんな、女を性欲処理の道具の様に.......
そして私は、この人達に今から犯される...の!?
男が袴の中から、ごそごそと自身のモノを出しながら、いやらしい目で私を見下ろした。
(嫌だ.......................信長様......助けて.....)
僅かにできる抵抗で、振り続けた頭が功を奏したのか、口に入れられた手拭いがぽろりと口から落ちた。
「っ、........信長様っ!.......信長様っ、助けて!!信長様っ!!」
こんな所に信長様がいる訳がないのに、それでも信長様の名前を必死で叫んだ。
「おいっ、ちゃんと口も抑えとけ、ってか信長様ってこの女正気か?あんな天下人がお前みたいな女中を相手にする訳ないだろ」
口に手拭いを再び詰め込まれ、脚を開かれた。
「!!!」
(嫌だ!信長様っ、助けてっ!)
絶体絶命なこの状況に、ただ目を瞑った時、
「空良!!」
勢い良く備品庫の扉が開き、待ち望んだ声が聞こえてきた。
「んんんんんん!!!」
「お、御館様!?」
「貴様ら、その女に何をしておる?」
見た事のない表情で殺気を纏い、信長様は刀を抜いた。
「お、俺たちは何も、この女の方が誘ってき、....ぐぁっ!!」
言葉を言い終えるより先に、信長様はその男を斬り倒した。
「ひっ!おっ、お許しを、ぎゃあ!!」
もう一人の男もその刃に倒れた。