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叶わぬ未来の夢を見る【イケメン戦国】

第6章 言えぬ思い



朝、目覚めると、信長様は私の髪を梳きながら温かな眼差しで見つめている。


それにより、寝起きから私の胸は騒がしくなるけど、悟られてはいけない。

「お、おはようございます」
平静を装い挨拶をすると、

「ん、よく眠れたか?」
優しい声で私に話しかける。

「.............はい」

悔しいけど、本当によく眠れて頭はすっきり晴れやかだ。


「ふっ、素直に答えた褒美をやる。今日より城内であれば自由に動いて構わん」

「..........えっ?」 

「この天主から出ても良いと言っておる」


「..........本当ですか?」

「ああ、だが貴様が俺の侍女であることに変わりはない。今まで通り、俺の世話は怠るな」


「....................はい、........んっ!」

何でいきなり口づけ!?

「返事が遅い。部屋から出るのは良いが、俺が天主にいる間は貴様も必ずいろ、いいな」

「はい............んんっ!」

だから何で口づけ!?今度はすぐに返事したのに!

「ふんっ、可愛すぎるのも考えものだな」

「???」
訳が分からない。


「時間だ、支度をする」

機嫌よく笑い褥から身体を起こした信長様同様に私も起き上がり、支度をした。




・・・・・・・・・・

「..............おい、何だその格好は」

支度をし終えた私を見て、信長様は眉をひそめた。


「何って......折角なので女中らしく今日からお城で働かせて頂こうと思って.....」

女中さん達が着用する着物はまだ頂いていないから、とりあえず本能寺の時に着用した女中の着物を着た。

「まだ持っておったのか、そんな着物早く捨てよ!貴様の着物は俺が選んだものだけだ。それに貴様は女中ではない。俺付きの侍女だ!」


「働くのにあの様な高価な着物を着るのは嫌です。それに、信長様から着物を頂く理由がありませんし、私はこっちの方が落ち着くんです」

天主にいる間はそれしか着る物がなかったし、ほぼ座っていたから仕方なく着ていたけど、そんな高価で肌触りの良い着物に慣れてしまいたくない。


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