第46章 夫婦の絆〜信長様誕生日sp〜
〜翌朝〜
翌朝目覚めた私は、裸で抱き合って眠ると言う信じられない姿に目眩を覚え、悶えていた。
(な、流されてしまった……!しかもこんな、一糸纏わぬ姿のまま眠りに落ちてしまうなんて……!)
嫁入り前の娘が殿方と枕を交わすことなどあってはならないとあんなに母上に言われていたのに…(←記憶喪失の為、結婚前からがっつり致していた事は覚えていない)
ああでも私は信長様の妻でこんな事も普通にしていたって事だ……
昨夜の自分は自分ではきっとない!
あんな、何かに取り憑かれた様に快がるなんて……!
幸いにも、少し手を伸ばせば届きそうな所に寝巻きは落ちている。
(早く着よう…)
なのに伸ばしたその手は素早く絡め取られて抱きしめられた。
「……っ、信長様」
「どこへ行く?」
「ど、どこへも。着物を取ろうとしただけです」
「そうか。して、何か思い出したか?」
「い、いえ何も」
「そうか。昨夜は日頃の貴様と変わらぬ艶を放っておったが、思い出してはおらなんだか」
「っ、恥ずかしいので言わないで下さい」
この人と、本当に致してしまった。
もう、記憶云々じゃない。夫婦の営みをしてしまったのだ。しかもいつも通りの乱れっぷりだったなんて!
「まるで初夜を終えた朝のようだな」
クスッと笑い声が聞こえて、頭にちゅっと口づけられる音と感触がした。
「……っ」
甘すぎるこの状況にまたもや胸は飛び出しそうに騒ぎ出す。
「体は何ともないか?」
「あ、は、はい。平気です」
子供もいる事は知っているけど、本当に気分は初夜を迎えた翌朝の様で、気恥ずかしくてたまらない。
「ならば今日は逢瀬へ行くか」
「え?」
「外に出れば何か思い出すやも知れん」
「そうですね………あ、でも私…」
「どうした?」
「私…今日は何か大切な事があると思うんです。誰かに、とても大切な誰かに会わなければいけいような……、でも思い出せなくて…んっ!」
まだ話しているのに突然の口づけ、
「なっ、急に何をっ!」
「今のは貴様が悪い」
「なっ、何でですかっ!」
普通に話していただけなのになぜ私が悪いの?