第46章 夫婦の絆〜信長様誕生日sp〜
「はっ、……はぁ、はぁ、…… っ、私……」
顔からは火を吹きそうだし、心の臓はもう体から飛び出ているに違いない。
「………っ」
恥ずかしいの更に向こうにある恥ずかしい気持ちに到達してしまい、満足そうに見つめる信長様から目を逸らした。
「そう言えば貴様は、イク事すら知らなかったな……」
信長様はふっと笑って私の頬に口づける。
「昔を思い出すなど無駄な事だと思っていたが、出会った頃の貴様にまたこうして出会えるのも悪くない」
優しく見つめるこの目を、この愛を囁く低くて甘い声を私は知っている気がする。
「空良、まだ俺が怖いか?」
「え?」
「本番はこれからだ。貴様が怖くないのならば、俺はこれから貴様を抱く。嫌ならばやめる。選べ」
「………っ」
(ここまでしておいて、私に選べと言うの?)
「そんな問いかけ、ずるい…です」
記憶はなくても体は信長様に愛されたがってる。
「ずるくなければ貴様は手に入らん。今も、昔もな」
唇が重なり、熱い思いが入り込んでくる。
怖いなんて思いはとっくになくなっている。
「………ん」
次々と与えられる熱のせいで疼いた体を持て余し、体の赴くままに信長様の首に腕を巻きつけた。
「訂正する。思い出せと言ったが、忘れていても構わん」
「え?」
「どんな貴様でも構わん。忘れたのならまた新たに始めれば良い」
「っ、ん………!」
逞しい体に押し広げられた足の中心を、熱く滾るモノが押し入って行く。
「俺が求めるのは貴様だけだ。空良愛してる」
その言葉にドクンッと胸が跳ねる。
この目も、吐息も、逞しい腕や胸も、体は覚えていると言っているのに、記憶は頑なに思い出す事を拒否していた。
でも、愛してる。
私はこの人をとても愛していた様な気がする。
蕩けそうな口づけと溶かされそうな旋律の中、私は信長様との記憶を必死に思い出そうとしていた。