第46章 夫婦の絆〜信長様誕生日sp〜
・・・・・・・・・・
「………で、吉法師様だと思ったら信長様が隣で寝ていて驚いて叫んだと?」
私の叫び声を聞いて駆けつけた人達が、私から事情聴取を始めた。
「……っ、隣でただ寝ていただけではありません。夜這いを…私にかけようとしていました」
私は秀吉さんと名乗る男性にありのままを伝えた。
「はっ?…信長様っ、本当ですかっ!」
秀吉さんとそれ以外の男性全てが一斉に信長様を見た。
「たわけっ!自分の妻の布団に入って抱きしめて何が悪い?」
「嘘っ!私の胸を触ってましたっ!」
「胸をっ!信長様、それはまことで?」
秀吉さんは再び信長様に問う。
「空良を抱きしめて眠る時には必ずする習慣のようなものだ」
「「しゅっ、習慣で胸を?」」
秀吉さんと言葉が被ってしまった。
私…そんな淫らな夜をこの人と……?
「分かったのなら出て行け、どのみち空良の側におらねば気になって眠れん」
「ですが…」
秀吉さんは私の方をチラッと見た。
このまま信長様にいられると困る私は全力で頭を振って無理な事を秀吉さんに伝える。
「記憶のない女を襲うなど、夫婦と言えどもその気もない女に無理強いはせん。ただ共に眠るだけだ」
信長様はそう言うと、しれっと私の布団の中へと入り身を横たえた。
「信長様それは…」
秀吉さんはここまで言って言葉を止めたけれど、
無理強いはしないが…その気にはさせて襲う気だな。と、私以外のここにいる者全てが心の中で思ったらしい(←後日談)
信長様はこの城のご当主でその意見は絶対のもの。
私の叫び声によって集まった男性達(武将達)は結局、しかめっ面をしたり、ため息をついたり、ニヤニヤ笑っていたり、不思議そうな顔をしていたりと、それぞれの反応を見せながらも部屋から出て行ってしまった。
私の叫び声で一度は起きてしまった吉法師は、信長様があやして眠らせ、隣の部屋へと寝かせに行った。
子供のあやし方も眠らせるのもとても上手で、何より吉法師が信長様の事を”父”と呼んでいて、やはり私たちは夫婦なのだと思わざるを得なかった。