第45章 夢が見せる奇跡 〜年末年始特別編〜
「はっ、あっ、あっ、ダメっ、」
「勝手にいくな、俺はまだいってはおらん」
「やっ、あっ、あっ、…」
次々と襲い来る快楽に頭を振り乱し、止めてほしいと両手で信長様の胸を押す。
「空良」
そんな抵抗は無駄だとばかりに信長様は私の両手を絡め取り褥へ沈めると、体を密着させて突きを速めた。
「ああっ———っ!」
「……っ、空良っ!」
ぎゅうっと、信長様の腕が私にキツく巻きつき動きを止める。
ドクン、ドクンと、体内に脈打つ熱いモノを感じながら、私たちは絨毯に沈んだ。
「はぁ、はぁ、信長様……?」
情事の後、いつも抱きしめて顔じゅうに口づけてくれるのがいつもの信長様なのに…今日は珍しく私から顔を背けている…
「信長様?」
再び名前を呼んで顔を覗き込むと…
「っ、見るな」
「え?」
「父上にまで嫉妬をして貴様を抱くなどと言う俺をあまり見るな」
そう言う信長様の耳は少し赤い気がする……
「……ふふっ、信長様ったら…」
「っ、笑うな」
「だって…」
(すぐ拗ねるあなたがとっても愛おしいから…)
困ったほどに愛しい人を背中から抱きしめる。
「そろそろ父上様が湯浴みから戻られる頃でしょうから、広間へ戻りましょう?」
でも、そんな信長様の嫉妬さえも嬉しくて幸せだってことは信長様には秘密。
私達は身支度を整えて大広間へと戻り、父上様との賑やかな宴はそのまま朝まで続いた。