第45章 夢が見せる奇跡 〜年末年始特別編〜
「汗をかいた。風呂に入る」
手拭いで体を拭きながら、父上様は湯浴みを希望された。
「はい。ご用意できております」
「おおそうか。気がきくな。ついでに背中を流してくれんか?」
サラッとそう聞かれ…
「え?あっ、はい….」
これも嫁としての務めだと思った私は戸惑いながらも返事をした。
「阿呆っ!何を真面目に返しておるっ!」
それに反論したのは信長様で、不機嫌さを隠さず顔に出し私を腕の中に閉じ込めた。
「の、信長様?お背中を流すだけですよ?私は着物のままですし…」
「他の男と湯殿に入るなど、しかも貴様に俺以外の男の裸を見せるなどありえん!父上、こればかりは父上といえど了承出来かねる!お望みなら他の者に命じられよ」
急に見せる信長様の独占欲と嫉妬心に私の顔は緩んでしまい、それを見られまいと信長様の胸に顔を埋めて隠した。
「ふっ、ふはははっ…」
そして父上様は豪快に笑い出し..
「冗談だ、風呂くらい自分で入る。貴様のその顔、中々に良かったぞ」
信長様の片頬をペチペチと手で軽く叩いて、湯殿へと一人歩いて行かれた。
(本当に豪快な方……)
信長様がうつけと呼ばれたのもあの父上様なら納得してしまうほどに、とても男らしく自由な方だ。
「空良」
「はい」
「天主に戻るぞ」
「え?」
信長様に手を引かれ天主へと連れていかれると、そのまま絨毯に押し倒された。
「……っ、信長様っ!?」
「抱かせろ、貴様を抱かねばこの気持ちは治まらん!」
「え?急にですか?」
この会話の間も、信長様は私の帯を凄い速さで解いて行く。
「父上にとは言え貴様が他の男に酌をするのは堪え難い、背中を流すなど言語道断だ!」
「……っ、それは…んっ!」
襦袢の袷が開くのと唇が塞がれるのは同時で、強引に割り込んだ舌と大きな手に形を変えられる胸への刺激で考えることを遮断された。
「っ、……ぁっ、………ん、…っ」
性急に気を昂らせようとする愛撫に声が漏れ体を湿らせて行く。
「はっ、ぁ、待って信長様……っん!!」
塞がれた唇はほんのわずかな時しか離れてはくれず、やっと紡ぎ出した言葉さえも遮られてしまう。
「んぅ……!」
絡み合う唾液の音と私の秘所から溢れる愛液が作り出す卑猥な音が部屋の中に響きわたる。