第5章 心の内

「力を抜いていろ」

ピタリと滾るそれがあてられる。


「っ、信長様、私ほんとに........んっ、ぁっ、やめっ」


私の言葉に構わず、それはどんどん私の体を押し開いて挿入っていく。


「あっ、っ..............」


どうしよう......身体が、この男を覚えてる。


信長の逞しい腕や肌、耳元を掠める艶のかかった声に、初めて抱かれたときの感覚が蘇り、身体が反応し始めた。

「っく、漸く俺を思い出したか」

信長はニヤリと私を抱き起こし、ぐっと、深く私の腰を沈める。

「あぁっ！」


「貴様を初めて抱いた時と同じ、この抱き方が好きな様だな」


「違うっ、っぁ、ぁぁ......」


突かれるたび、頭のてっぺんからつま先まで刺激が駆け巡る。


「あ、.....ん、....っぁ........ぁ...」


無意識に信長の首に抱きつくと、お互いの身体はピタリと重なり、信長は更にきつく私を抱きしめ深くまで突き上げる。


「ふぁっ、あぁん！」


「今宵はよく啼くな、空良」


「ぁっ、う、うるさいっ、..........」


「ふんっ、素直に俺を求めればいいものを、強情な奴だ」


「求めてなんて..........んぅっ！」

信長の唇が私の言葉を途切れさせる。

「ん、...........はっ..........っ」


口づけを受けながら下から貫かれ、重なり合った肌の温度に溶かされながら、自分の体が快楽を受け入れていくのが分かる。


「くっ.....,空良」

苦悶の表情を浮かべ信長は私から唇を離し動きを止めるとギュッと抱きしめた。


「っ...............」

ドクンと、心の臓が跳ねる。

「っ、そんなに締めつけるな.....」

はぁっと、信長の吐息が耳を掠める。
そんな風に、私を抱きしめないで。
胸が、きゅうっと締め付けられて、苦しくなる


「っく、阿呆が.....余計締め付けおって....っ」


言っている意味がよく分からなかったけど、何か私がしてしまったのか、信長は顔を更に苦しそうに歪めた。

「思っていた以上に、俺は貴様に飢えていたらしい」

「えっ？」

「だが、悪くない」

いたずらな顔で笑いながら信長は緩々と腰を動かし始め、私のおでこに口づけた。