第5章 心の内
「あっ...........っぁあ!」
信長の笑顔に見惚れたのは束の間で、信長は直ぐに緩やかな腰の動きを速めて私を突き始めた。
「ああっ、...........あっ、あっ、......っは、」
激しく揺さぶられ、溶けてなくなりそうに身体が熱くて、大きな何かにのまれそうな感覚が近づいて来た。
「............んん、んーーーっ、............やっ、も、もう.....」
気を持ってかれそう.....
「っく、一緒にいってやる、しっかり受け止めよ空良!」
肌と肌がぶつかり合う音が一層大きくなり、すべての思考が奪われると、身体の中に熱い飛沫を感じた。
「はぁ、はぁ、はぁ、.................」
共に達し、力が抜けた様に抱きしめあったまま、お互いの荒い呼吸を耳に感じ、重なりあった胸からは、速く打つ鼓動を感じ合う。
何て、甘く感じるひと時なんだろう........
全体重を私に預け、私の胸に顔を埋め呼吸を整えるこの男が両親の仇でさえなければ..........
そっと手を伸ばして目の前の頭を撫でそうになる自分の手を止めて再び褥に戻した。
恋仲ならば、情事後の余韻を甘く過ごすのだろうけど、私達は違う。
「の、信長様、重いです。早く降りて下さい」
身体を捩り、早く降りるように促す。
「ダメだ。今宵はまだ貴様を抱き足りん」
「はっ?」
何言って..........
「身体の中の毒がまだ残っておるようだ。これは貴様を抱かんと消せん」
「そ、そんな事で毒は消せません!それにさっき治ったって.....」
「急に毒が回って来たらしい。ふらふらする。早く治せ」
「う、うそっ!だって口が、んっ!」
吊り上がって笑ってるって言いたかったけど、言わせないつもりか封じられた。
「毒を消すには一日かかるらしいゆえ明日は休みを取った。貴様は焦らず俺の体内の毒をゆっくりと消せば良い」
「な!一日って、それに私、んっ」
刺してないのに!!(自分から刺したよね!!)
「頼んだぞ空良」
「んんーーーーー!!!!」
私の目の前で確かに毒針を刺した筈なのに、全くそんな様子を感じさせない元気なこの男は、毒に侵されたを脅し文句のように使い、私を一日中抱き続けた。