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叶わぬ未来の夢を見る【イケメン戦国】

第41章 叶えられていく思い 恋仲



「今宵は客人達の相手もあり貴様と部屋も別だ。故にこれが、恋仲として貴様を抱く最後となる」

熱の籠った目が私を熱く見つめる。

「……はい」


別に今生の別れではないし、明日の夜には夫婦として初夜を迎える。一日何もしなくたってなんて事はない。

けど…


「私、”俺たちは恋仲だ”と、信長様に言われた時のこと、まだ覚えています」

城から逃げ出した私を連れ戻してくれたあの日は、ただ夜伽を命じられ抱かれる関係から、身も心も繋がり愛し合える関係になれた日。

侍女から恋仲へ。
何て甘い響きなんだろうと、胸が高鳴った日だった。


そしてあの日、恋仲と侍女は何が違うかと聞いた私に、

『恋仲とは、いつ何時でも、愛おしいと心を通わせあった相手に口づけていい』

信長様はこう答えてくれた。

あの日から、数え切れないほど自分から信長様に口づけているけど、まだ気持ちを伝え切れていない。

「信長様、愛してます」

あなたの事を愛してとても幸せだと言う気持ちが少しでもたくさん伝わるように、湯船の中、私は自分から信長様に口づけた。



「……ふっ、貴様から俺に口づける様になる日を、俺がどれ程に待ったか。貴様には分からんだろうな」

熱い手は、私の頭をがっしりと掴んで、私の口づけを深いものへと変える。


「……んっ」

命を狙う者と狙われる者として出会った私たちにとって、恋仲とは、とても特別で奇跡の様な関係だった。


「……はっ、………ん」

だから、この関係でいられる今日と言う最後の日を、特別な気持ちのままお互いに刻みつけたい。


「……んっ、……?」

思い出に酔いながら身を任せていると、深く探られていた舌が離れそのまま体を壁際の浴槽の縁に乗せられた。

「…っ、信長様?」

気持ちが上がっていただけに、突然離れた熱にもどかしさが募る。


「くくっ、そんな残念そうな顔をするな、貴様はのめり込むとすぐ逆上せるからな、流石に今日は倒れさす訳にはいかん」

「そ、そうですね」

(のめり込むって…確かにすぐ何も考えられなくなっちゃうけど… 何だかとてもいやらしい女みたいで恥ずかしい…)


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