第41章 叶えられていく思い 恋仲
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「私も、入りますか?」
脱衣所に着くや否や、着物を脱いで全裸となった信長様に私は一応聞いてみた。
「それは…気を失うまで抱いてくれと、言っておるのか?」
「ちっ、違いますっ、あっ!」
シュッと、その手は少し乱暴に私の帯に手を掛け解き始める。
「っ、私が自分で…」
“解きます”と言う言葉は飲み込んで、信長様の手を止めようとする自分の手の力を緩めた。
(このまま、身を任せたい)
いつも私を優しく包み撫でる大きな手の動きに視線を落とし、解かれていく帯をただ見つめて残りの理性を取っ払った。
「……来い」
生まれたままの姿で湯殿へと連れられ、そのまま湯船へと浸かった。
「……っ」
広い檜風呂にもたれて座った信長様は、私を信長様と向き合う形で膝の上に乗せた。
「……あの」
もう既に勃ち上がったあれが、私のお尻に当たっている。
「何だ?」
私が何を言いたいのかを分かっている信長様は、クスッと笑った。
「その………ここで、んんっ!」
噛み付く様な口づけ…
「……愚問だ。”致す”に決まっておる」
「……っ、ですよね」
さっきまでの不機嫌な顔が一転して楽しそうで、私はそれだけで下半身がズクンとして濡れ始めた。
「此度の祝言は、いわば秀吉の努力が身を結んだ結果だ。だから今宵は、奴の描いた筋書き通りに俺たちは過ごすと決めた」
「…はい」
私を正室とする件を、全ての織田の傘下、及び重鎮に認めさせてくれた秀吉さんが、祝言を上げて欲しいとある日お願いをして来て、私たちはそれを快諾した。
秀吉さんはその日から祝言の為忙しく奔走し、祝言の形は簡略化であっても、ある程度のしきたりは踏んで欲しいと言われ、私たちはその条件を飲んだ。
ある程度のしきたりと言っても簡単で、祝言前夜は別々に過ごし、当日に広間で正装に身を包んだ姿で初顔合わせをして初夜を迎えるという事。
だから今宵私達は、別々の部屋で過ごすことになっている。