第40章 叶えられていく思い 再会
「……空良か?……まぁ、信長様の周りを気にされない愛情表現に困ってる姿はよく見るが、あいつはいつだって信長様の側で幸せそうに笑ってる。見てるこっちが幸せな気持ちになるくらいな…、それに、更に綺麗になった」
秀吉は庭の方を見て眩しそうに目を細めた。
「お、なんだ秀吉、ついに主君の寵姫に横恋慕か?」
政宗は秀吉の言葉を聞くと、嬉しそうに秀吉の首を羽交い締めする。
「ばっ!お前、そんな訳ないだろっ!今の言葉を聞かれでもしたら、俺の首が飛ぶ、冗談でも口にするなっ!」
「ははっ、短い付き合いだったな」
「……っ、お前なぁ〜」
「けど確かに、空良の噂は俺のいる城にまで届いてましたよ。日ノ本一の美しさで信長様が夢中だって……」
二人の会話に家康が割って入る。
「まぁ、元々の器量の良さもあるが、あれ程愛されてるんだ、輝かない女なんていないだろ」
政宗も納得の思いを口にする。
「結局、振り回されて面倒を押し付けられてるのは、俺たちだけって事ですか?」
家康も肩を窄める。
「まぁ、そう言う事だ。とりあえずは接客、頼んだぞ、家康」
「はぁ〜何で俺が、三成にでもやらせておけばいいのに…」
「ばか、向き不向きを考えろ」
「はぁ〜」
「まぁ、頑張れよ!後で美味いもん食わせてやるから」
秀吉と家康は大広間へ、政宗は厨へとそれぞれ向かって行った。