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叶わぬ未来の夢を見る【イケメン戦国】

第36章 真相 〜救出編〜



「御館様っ、伏せて下さいっ!」

光秀の声で体を横に傾けると、ピストルの放たれる音が耳に届いた。


「ぐぁっ!!!!」

弾が義昭の手に命中し小刀は落ちた。

間一髪空良の命は助かり、俺は大きく息を吐いた。


「空良っ!!」


痛みで暴れる義昭を光秀達が押さえつけている間に、俺は空良の元へと急ぐ。


「空良っ、しっかりしろっ!」

やっと取り戻した愛しい華奢な身体を抱き締めた。


「っ、信長様っ.........」

余程怖い思いをしたのだろう。体を震わせる空良は俺の顔を見るなり大粒の涙を溢れさせた。

「空良、もう大丈夫だ」


「ふっ、ぅっ....... っ.......ごめんなさい.......私.........」


こんな状況でも空良は俺に謝罪の言葉を述べる。


「何を謝る?貴様は何も悪くないっ、空良っ、しっかりしろっ!空良っ!」


目が虚ろで視点の定まらない空良にひたすら呼びかける。


「お...なか............」


「腹がどうしたっ、空良っ、空良っ!!」


何を言っている?腹がどうしたというのだ!?

空良を助け出せた事に気を取られていた俺は、奴の言葉で初めて視線を奴の腹に移した。

「.....!」


どうして気づかずにいられたのか…白いはずの襦袢が腹から下全てが赤く染まっている……


「空良っ、空良っ!!」


怪我なんてもんじゃない!
もしや腹に何かされたのか!?

尋常じゃない血の滲み方に心は更にざわつく。



「.......ごめ.......なさい............」


空良はひたすらに俺に何かを謝り続ける。


「お腹の子を………助けて……」


「空良っ!!」

空良は最後の力を振り絞る様にそう言うと、俺の腕の中で意識を無くした。


「.........っ、空良っ!だめだっ、目を閉じてはならんっ!空良っ!空良っ!返事をしろっ!空良っ!!」



「空良様っ!」
「っ!これはっ!?」

義昭を捕縛し終えた光秀と麻も空良の凄惨な状態に目を見張る。


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