第33章 全てはあなたを喜ばせるため 〜信長様誕生日sp〜
「ここはどうだ?」
信長様はぱくっと私の耳朶を食むと、舌を差し込みくすぐった。
「ん、」
やはり最初だけ吐息が漏れるものの、いつものひゃあ〜っと肩が窄まるほどの感覚は一向にやってこない。
「ここも、感じておらぬのだな?」
「............はい」
信長様は顎に手を添えて暫く考えると、
「なるほど........」
何かに納得したように頷いた。
「何か分かったんですか!?私の身体、とうしちゃったんですか?」
縋りつくように信長様の着物を握って答えを求めた。
「先程のきのこだ」
「きのこ?」
「そうだ。貴様の食したきのこ、あれは痛みだけではなく、全ての感覚を失うきのこに違いない」
「全ての感覚を?」
「恐らくな」
「えーーーーーそんなぁーーー!」
「数時間で治ると家康が言ったのなら大丈夫であろう」
「でも..........」
折角のお誕生日の夜だったのに.......
「気にするな、貴様を抱けぬのは辛いが、濡れておらぬ貴様の中に挿れる事は到底無理だ。今宵はこのまま眠れば良い」
信長様は一度開いた私の襦袢の袷を閉じると、優しく額に口づけてくれた。
「わっ、私は大丈夫です!」
誕生日の夜に我慢なんてさせられない。
「ダメだ、濡れておらん貴様では、俺の先を挿れることすらできん」
確かに.......私も到底受け止められるとは思えないけど........
「こっ、」
「こ?」
「香油を使えば.............」
きのこの副作用で感覚が麻痺して赤くはならないけど、かなり恥ずかしい提案をした事は確かで、心の臓は爆発寸前だった。
「ふっ、香油とは.........貴様の口から出るとは思わなんだが、一体いつの間にそんな事を覚えた?」
片眉を上げて意外そうな顔をした信長様は、長い指で私の口をぷにぷにと押した。
「っ、あの......女中部屋の会話で聞いた事が.......」
あまり濡れない夜とか、確か違う目的でも使うとか話してた気が.......