第32章 暗雲
「っ、.........手を解いて下さい」
起き上がり両手を信長様に伸ばす私の身なりは乱れている。
けれど、それよりも三姫を怒らせてしまった事が恐ろしくて、早く何か策を練らねばと心は焦っていた。
「気に入らん」
「えっ?」
トンっと、起き上がった身体は再び信長様の手に押されて褥に倒れた。
「信長様っ!?」
信長様は縛られた私の手首を再び頭の上にまとめ上げ、解きかけの襦袢の紐を全て解きさった。
「っ......」
薄暗い部屋の中でもよく分かる程に冷たい信長様の目から怒りは消えていない。
「俺が貴様を求めるように、何故貴様は俺を求めん」
「.......っ、それは......信長様はこの日ノ本を一つに束ねる方で、私一人の信長様ではありませんから、私の我儘などまかり通るわけ.....あっ!」
グッと熱い手が私の片胸を掴んだ。
「またそれか、貴様の身分違いの話は聞き飽きた。そんな戯言を言えるほど、まだ俺への気持ちに余裕があるとは驚きだな」
「そんなわけっ、っあっ!」
今度は胸の柔らかな場所に吸い付き痕を付けた。
「貴様は、俺のものだ」
「わ、分かってます。でも、あっ、......」
「言い訳は聞かぬ。貴様が誰のものなのか、この愛らしい身体と頭が俺以外の事を考えられなくなるまで躾直してやる」
「やっ!信長様っ!」
本気でこのまま私を抱くつもりの信長様に恐怖と悲しみが交錯する。
力も体躯も何もかもが上な信長様に力で敵うはずもなく、
「あっ、やだっ、.......ぁぁっ」
身体を捩り抵抗しても、胸を口に含み転がし歯を立てる熱と、
「ひっ、........っぁ、やっ、めて........ぁっ、」
秘部を弄り私の中を掻き回す長い指のもたらす熱に抗える訳もなく......
「っ、......あっ、ぁぁっん!」
こんな時でも、身体はいやらしく反応して果てた。