第31章 京宴　後編

「の、信長様？.....ん、」

少し浮いた唇は、角度を変えてまた落ちてきた。

「ん、...............んん、」

もう、寝かせてくれる気はないのか、ちゅっと、音がする度に角度が変わり口づけが深くなっていく。


「ん、......信長様、くるし....」

「ふっ、まだ口づけを覚えられんのか」

「だって.......」

「貴様のだっては聞かん」

かぷっ、

「やっ！」　

形の良い唇は、次は楽しげに私の片耳に軽く歯を立てた。

「耳、やっ、信長様っ、」

ぞくぞくが止まらなくて、やめて欲しいとお願いをしたのに、


「そうか、ならば余計可愛がってやらねばな」

耳が弱い事を知っている信長様は、声を弾ませ更に責めてきた。

ぴちゃ、ぴちゃ、.....ちゅる、

「や、.........あぁ」

舌がいやらしく耳中を舐め始めると眠気は完全に吹き飛んで、体はヒクヒクと反応し出した。


「ふぁ、......やっ、」


「愛らしいな、貴様は弱い所だらけで責めがいがある」

艶のかかった声と熱い吐息が耳をかすめると、もう蕩けそうで力が入らない。


「っぁ、信長様.......」

執拗に耳を責める信長様の胸を押して恨めしげに見ると、熱い情欲に絡んだ目に捕らえられた。


「気が変わった、やはり今宵は”致す”事にする」


「っ、..........今夜は寝て良いって.....」

「ふっ、悩ましげな声を漏らして俺を煽った貴様が悪い」

「なっ、あんな事されて声が出ないわけ.......」

ぱくぱくと、最後には声にならない抗議の声が口から漏れるけど、


「可愛いすぎる貴様自信を恨むんだな。貴様の声に我慢できるほど俺は辛抱強くはない」

俺様はしれっと私に責任転嫁する。

「なっ、....んっ！」

唇は再び悪戯な顔をした愛おしい人に塞がれ、身体中を熱くさせていく。


「貴様は眠ったままでいい。そのまま俺に預けろ」

そう言って離れた唇は、私の身体中に口づけながら下へと降りて行き、秘部をぺろっと舐めた。


「ひゃっ！」

「やはりな、もう濡れておる。寝たふりをしながら、耐えておったのか？」

ククッと笑いながら発せられるその言葉で、顔は一気に熱くなる。

胸や耳を愛撫され、熱い口づけを受けて眠る事なんて出来るはずがないのに！