第31章 京宴 後編
「気にするな。貴様が本尊の仏像を磨き上げた話は聞いておる。どんな職人でも落とせなかった汚れを落としたと皆驚いておった。明日も頑張るのであろう?このまま眠れば良い」
「は、い.........」
少し触れさせろ、から、俺がしてやる、と言う言葉に変わった事に違和感を覚えたけれど、優しい声が耳元で囁き、大きな掌で頭を撫でられると気持ち良くて、こくんと頭だけを動かして再び目を閉じた。
紐を解かれ緩んだ寝巻きの袷に片手を忍ばせた信長様は、寝間着をゆっくりと開いていく。
露わになった肌が冷たい外気に晒され少し肌寒さを感じたけれども、その寒さは一瞬で肌を滑る手の熱さと肌にかかる熱い吐息で熱を灯された。
「柔らかだな」
誰に言うでもなく独りごちた信長様は、両の胸に手を当てて、胸の弾力を確かめる様に下からやわやわと揉み始めた。
「ん、........」
優しく揉まれていくその緩やかな刺激に吐息が漏れる。
ちゅうぅ、と吸い付かれる感触と音が耳に届くと、ピクンと甘い刺激に眠りを邪魔された。
「っ、.........」
眠くて目は開かないのに、胸の先はじりじりと熱を持ち立ち上がっていく。
「くくっ.....」
起こさない様に配慮してくれているのか、はたまた逆か、信長様は声を落として笑い、更に胸を弄っていく。
ちゅぅ、ちゅぅ、...........ちくっ!
「んんっ!」
(あ、痕付けた....)
僅かな痛みが甘い疼きを伴って胸に落とされた。
大きく節くれだった指は、ふにゃふにゃと私の胸で遊び、熱い唇と舌は、ぴちゃぴちゃと音をたてながらその柔らかさを味わう様に食み、舐めていく。
ぱくっ、
「あっ、........」
ピンっと立ち上がった胸の先が口に含まれると、ついに吐息以外の声が漏れた。
「ふっ、......」
信長様が鼻で笑うとその鼻息が胸を掠め、それだけでもピクンと身体は反応した。
「眠るのでは無かったか?」
人の胸を自由に弄りながら私に視線を移す信長様はとても意地悪く、そして楽しそうな笑みを浮かべている。
「っ、意地悪.....そんな事されて眠れるわけ....んっ」
私の訴えを阻止する様に、ちゅ.......っと、口づけが落ちた。