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叶わぬ未来の夢を見る【イケメン戦国】

第30章 京宴 中編



「貴様はそれを聞いて、どう思ったのだ?」


質問は、質問で返された。


「えっ?.......あの........私は、安土の中の蛙だな...と、思いました」


「は?」

「あの、私は何も知らなかったんだなって、........信長様がとても凄い人だってことは分かってたつもりだったんです。私と出会う前は、高貴な方々とお付き合いをされていたと思ってましたし、.......けど、帝に縁の姫や大名の姫達がその恋のお相手で、しかもその方達を夢中にさせるなんて.......、本当に凄い方と恋仲になってしまったんだなって........」


上手く言えないけど、こんな言葉で分かってもらえるかな....?

不安気に信長様を見ても、いつもの涼しい顔で......


「それで?」


「えっ?あの、......そんな素敵な姫君達には、もう信長様を近づけたくないなって.............」

こんな事思うの、イヤな女って思うかな......?


「........つまりそれは、悋気か?」


「えっ......、」

その通りだけど、言葉にされると答えに詰まってしまう。
でも、その通りだから.......


「.............っ、はい、悋気です」

正直に、嫉妬をしているのだと認めて頷いた。


「あのっ、こんな事を思うなんて図々しいって事はよく分かってる......んっ!」

きっと呆れているのだと思い、慌てて顔を上げて言い訳を口にすると、途中で口づけに遮られた。


「んっ、............のぶ....長様?」
(あれ?笑ってる?)


「ふっ、女の嫉妬など鬱陶しいだけだと思っていたが、貴様からの悋気は心地の良いものだな。悋気を起こす貴様が見られたのなら、此度の奴らの滞在も少しは役に立ったと言うもの」

呆れるどころか、嬉しそうに私の顔中に口づけまくる信長様......


「っ、そんな事を言われても複雑です。過去のお相手があんなに凄い方々なんてやっぱり......」


「戯れに一、二度抱いただけの女の顔など覚えてはおらんが、大名や帝、五摂家に縁の女に手を出すほど、今も昔も女に不自由はしておらん」


「そ、そうですか」
(そう言えばそんな事、前にも言っていた様な...)

きっぱりと俺様に言い切る信長様に納得しかない。



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