第3章 侍女の仕事
静かに褥の上へ降ろされ倒されると帯が解かれて行く。
「昨夜のように抵抗せんのか?」
されるがままに褥に横たわる私を信長は不思議そうに見つめる。
「...........別に....抵抗したって同じですから。さっさと終わらせて下さい」
「......そうか」
信長は納得したのか、私の帯をシュルリと抜き取ると着物を開き、襦袢の紐も解いて袷を開いた。
「っ..............」
自分の裸体が、この男の目に晒される。
本当は怖い.....
でも、これ以上この男の思い通りに振り回されるのは嫌だ.........
目が合えば、怖がっている事がバレてしまいそうで....昨夜同様に視線を逸らして褥の敷布を掴んで震えそうになる体を何とか保った。
「ふっ、男を知らなければ、男心も分からんと見える」
「えっ?」
「貴様が何をしても、俺を煽るだけで逆効果だという事だ」
ぐいっと信長は私の両手首を頭の上で掴み上げて、先程の信長の首を絞めた紐で縛った。
「な、何するの!?」
「やっと、良い顔になったな」
驚く私の顔を見て、信長はニヤリと楽しそうに笑った。
「紐や縄は何も、城から逃げるためや首を絞めるためだけに使う訳じゃない」
熱くて大きな手が、私の体を滑って行く。
「っ................」
「このように女の体を縛り上げて自由を奪い、好きに撫でるのにも役立つ」
滑る手は私の胸で止まると、ぐっと力を入れて掴んだ。
「いっ、........やめてっ!」
両手首を縛られていても動かないわけじゃない、縛り上げられた腕を下に下げて信長の胸を押した。
「......まだ縛り方が足りんようだな。せっかく貴様が襦袢を切り裂いてまで長く作ったんだ。使わぬ手はないな」
信長は身を起こすと、再び私の手を上で纏め、そこに残りの紐を通して柱へと括り付けた。
「やっ!」
身を捩る事はできても腕はもう自由を奪われどうする事もできない。
「空良、先程の続きを始めるか」
魔王は口元に弧を描き、私に覆い被さった。