第23章 姫の反乱
「空良、ベタベタするであろう?風呂に入れてやる」
「ふふっ嬉しい。信長様も一緒ですか?」
「ふっ、いつもは一緒になどと絶対に言わぬくせに」
「だって、我が儘だと思われたくなくて。こんな私........嫌いになりませんか?」
俺の首に腕を巻き付け、強請るように見つめてくる空良に、己の欲がまたしても膨らんで来た。
「どうやら俺は、どんな貴様にも欲情する様になっておるらしい。ほら、着物を脱げ、湯に浸けてやる」
「あ、」
薬のせいで俺を求め続ける空良の身体はもうとっくに限界を超えている。
着物を脱がせ湯の中へと入り、俺と抱き合う形で座らせる。
「好き」
「分かっておる」
既にぐずぐずに蕩けた奴の身体は俺を簡単に呑み込んだ。
「あっ、」
恍惚の表情で腰を振ろうとする空良を止め口づけを落とす。
「貴様はもう動かなくていい。俺がしてやる」
「でも、信長様にも気持ち良くなって欲しい」
「俺は貴様を抱いているだけで気持ちが良い。無理はするな」
「あっ、信長様っ」
少し腰を突き上げるだけでも空良は気をやりそうな状態で、意識を間も無く飛ばすであろう。
「好き。.....あっ、あっ、....」
今回の事で、空良の心の内が見えた。
「貴様が俺を好きなのは良く分かった」
空良は、俺に抱かれる間、何度も俺を好きだと口にした。
それはここ最近の俺の空良への嫉妬や干渉、縛り付けが、奴の心を不安定にさせていたからだろう。
「あっ、はっ、離さないで、どこにも行かないで」
「どこにも行かぬし貴様を離さん」
俺といて幸せだ、と日々口に出して伝えてくれていた空良に俺は勝手に安心をしていたが、
「一人は寂しいの。もう、一人になりたくない」
愛しい者達を突然失った空良の心の傷は深く、まだ癒えてはいなかった。