第22章 初めてのお買い物
「どんな事であれ、貴様の初めてが俺ではない事に、はらわたが煮えくり返そうだ」
「え?...........,,.......んっ」
冗談は、冗談とは捉えられず、代わりに怒りを抑えた唇が重なった。
「の、信長様?」
おでこを寄せ、鼻先を擦り合わせては、私の唇を啄む。
「この唇は、俺しか知らぬ」
「ん.........」
角度を変えると、舌先に口を開けられ熱い信長様の舌と私の舌が重なり合った。
「んっ、....っ、.......っん」
「口づけの仕方を教えたのも俺だ。...........ふっ、まだまだだがな」
「ひ、ひどっ、んんっ!」
だって、口づけをされるだけで何も考えられなくなるから......誘導される舌に合わせるだけで精一杯で.......
「貴様は俺のものだ」
「んっ!」
こう言う感情を、何て言うんだろう?
嫉妬とは違う、心配とも違う。
白昼抱かれたこの間からそうだけど、信長様の私への干渉と言うか、独占欲?が強くなっている気がする。
「はっ、はぁ、.....はぁ、わ、私は、はぁ、信長様のお側にずっといます。そんなに心配して頂かなくても、お友達と呉服屋さんに行って、あと甘味屋さんに寄って帰って来るだけです。だから、行かせて貰えませんか?」
もしかして、不安?
信長様に限ってそんな事はない思うけど、何故かその言葉が一番当てはまる様な気がしていた。
「護衛は付ける。あと、今言った場所以外に行く事は許さん」
「え、じゃあ」
「貴様の作った小物は、俺の目から見ても良い出来栄えだった。趣味で埋もれさすには惜しい。良い仕事に繋がると良いな」
「きゃあっ!ありがとうございます!」
今の流れからして許可して貰えるとは思ってなかったから、思いがけず許可が下りて、嬉しくて抱きついた。
「おいっ、余りくっつくな、今すぐ抱きたくなる。直ぐに軍議に戻らねばならん」
信長様は、少し困った顔で私を引き離した。
「あ、ごめんなさい」
今の今まであんなに濃厚な口づけをしていたのに、いきなり離れろとはあんまりだ。
「いつ行くつもりだ?」
「あ、明日にでも行きたいのですが、いいですか?」
「構わん。気をつけて行って来い」
「はい!」