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叶わぬ未来の夢を見る【イケメン戦国】

第21章 焦燥



「今日は何をする予定だ?」

朝餉の後、大広間を出る所で呼び止められた。

「今日は、これから家康のお部屋へ」

「何?」


「ちょっと、その言い方変な誤解を生むからちゃんと説明してよね」

私たちの会話を聞いていた家康が慌てて背後から声をかけて来た。

「あ、家康」


「あんたのせいで俺の命が今消えそうなんだけど.....」


「え?....あっ、!」 

言葉の意味を理解して信長様を見ると、あからさまに嫌な顔をしている。

「政宗の次は家康とは......貴様もとんだ悪女だな」

「ちっ、違います!家康からは薬の知識を学ぼうと思って」

「薬の?」

「はい。ただここにいてお城の掃除をするだけではなく、私も色々と信長様のお役に立ちたくて.....」

食事の支度もそうだけど、もっとたくさんの知識を身につけて少しでも信長様の役に立ちたい。


「顕如の元でも少しは薬の事を学んでいた様なので、俺も手伝って貰えると助かるので教える事にしました」


家康も助け舟を出してくれる。


「ダメ....ですか?」

信長様の袖を掴んで覗き見る。


「家康」

「はい」

「貴様は先に部屋へ戻れ」

「はっ!」

家康は頭を下げると部屋から出て行く。

「信長様、.....私は?」

「貴様は.....」

ゆっくりと顔が近づくと、首筋に唇を押し当てた。

「ん、......信長様、........っ!」 

チクっと、甘い痛みが首元に走る。
もしかして、また痕を付けた?

「やっ、何でこんな事!」

こんな場所、髪で隠すこともできないのに....

「どこで誰といようが、貴様は俺のものだと言う事を忘れるな」

「わ、分かってます」

だからってこんな事......
キッと信長様を睨んでいるのに、

「睨んだ顔も唆られる。しっかりと学んで来い」

やっぱり優しく頬を撫でて目を細めるから、怒る気が失せてしまった。

「うー、.......ありがとうございます」

やきもちを妬かれるのは正直嬉しい。
ただその表現方法が過激すぎるから何とかしてほしいけど、これ以上ない程に愛を感じるから、やっぱり私は幸せだ。

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