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叶わぬ未来の夢を見る【イケメン戦国】

第20章 夢で逢いましょう



・・・・・・・・・・

「姫、.............姫さま........」


気持ち良く眠りに落ちた私を、誰かが揺さぶり起こす。


「ん.........誰?」

どうして姫なんて懐かしい呼び方で.......


「..........姫、姫様、起きて下さいませ」


「でも私(わたくし)、まだ眠い.....」

ん?私.....自分の事を私(わたくし)なんて呼んでた?


「姫様、間も無くあの織田信長様が参内なさいますわよ!」


「えっ、........信長って......誰?」

聞いたことがある様な、今の今まで考えてた様な.......誰だっけ、思い出せない。


「もう、姫様寝ぼけていらっしゃるんですか?本日は帝にお会いになる為、織田様が参内なさるから、皆でこそっと拝見しましょうと言っていたではないですか」


「あ、...あぁ、そうだったわね」

目の前で興奮気味に話すのは私の侍女。
そうだ、私は帝の妹で、今日は兄様に呼ばれてこの御所に来ていたんだ。


「その織田様が帝との謁見を終えて、もうすぐこの廊下をお通りになるそうですわ。他の者達は皆行ってしまいましたわ。私達も御簾越しに拝見しに参りましょう?」


「そうね」


帝のお召しにより安土からこの御所に来ている織田信長様は、宮中の女性達の話題の人物だ。
武士(もののふ)でありながらも、その所作は優雅で洗練されていて、他の公家達にも引けを取らないらしい。

私はまだお会いした事はないけれど、どんな武士なのか興味はある。


「あっ、いらしたわ」

侍女の一人が声を上げる。


スッ、スッ、と、廊下を歩く足音が少しずつ近づいてくる。

「きゃあ、やはり素敵ね」
「まるで絵巻物の公達の様」

侍女達は興奮気味に声を上げる。

御簾越しだと、顔まではよく分からないけど、確かに背は高くて、歩く姿も優雅だ。


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