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叶わぬ未来の夢を見る【イケメン戦国】

第20章 夢で逢いましょう



「早く戻られるといいな。お前もあまり根を詰め過ぎず休みながらやれよ」

優しい笑顔で微笑むと、秀吉さんはそのまま部屋から出て行った。

出会った頃、私を厳しい目で見ていた秀吉さんは、今では色々と世話を焼いてくれる兄の様な存在で、そんな秀吉さんが安土一のモテ男というのはとても納得だ。

「よっ、と」

干してあった信長様のお召し物を取り込み部屋に入ると、その内の着物一つを手に取り抱きしめた。

すーっと吸い込むと信長様の匂いがしてとても落ち着く。

男、を初めて意識したのは信長様だった。
初めて会った途端に抱かれてしまったと言うことも勿論あるけど、顕如様や蘭丸様からは感じた事のない、雄の匂いと言うか男らしさを信長様には初めての夜から感じていた。
それは今でもやはり信長様だけで、秀吉さんや政宗達からも良い匂いは漂うけれど(なんか私、いやらしい?)信長様からだけ香る男らしい匂いが私は大好きで、着物だけなのに、こうしていると抱きしめられている気分になった。


「あ、でも、朝廷って事はきっと束帯か衣冠をお召しになっているよね?信長様の束帯姿、見てみたいなぁ。きっと、絵巻物に出てくる光る君の様に綺麗なんだろうなぁ」

頭には、烏帽子?いや、冠を乗せてるよね?あんな整った顔に、冠を被せたらそれこそ光る君の様だ。

信長様が光る君なら、私は紫の...

「いやいやいやっ!それは図々しすぎるでしょ!」

あんな女性としての美しさや賢さ全てを備えた女人と一緒だと考えるなんて、図々しいにも程がある。

でも物語の姫の様に、私は女としての喜びば全て信長様に教えてもらった。身分的にも、正妻には決してなれない所には共感してしまう。

「あっ、でも信長様は光る君の様に浮気はしません様に」

出来れば、正妻の方以外に側に置く者は私だけであって欲しい。あれ程の殿方の側にいて贅沢な事をとは思うけれど、醜く嫉妬した姿を信長様に晒したくはない。

「私がもし公家の姫だったら少しは違ったかなぁ」

やっぱり、美しい信長様に一目で恋に落ちて、御簾越しに想いを募らせるのかも。


「ふふっ、早く戻られないかな」

抱きしめる信長様の着物を見つめてゴロンと寝転んだ。


「早く会いたいな」

日当たりのいい部屋で、大好きな人の着物を抱きしめ寝転がった私は、その匂いに安心してそのまま眠りに落ちてしまった。

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