第19章 恋仲〜逢瀬編〜
「んっ........ん、」
静かな天主に、口づけの水音が響き渡る。
天主に着いた途端に剥ぎ取られた今朝の着物が、褥で横たわる私の横目にチラリと映った。
「貴様はどう口づけられたい?」
「えっ」
突然のその問いかけに、かぁ〜っと顔は熱くなる。
「そんなに顔を真っ赤にするほど、激しくされたいと言う事か?」
「ちがっ、んんっ......っ、」
意地悪な質問への反論すら許されず、重なった唇は深く私の口内を探り、私の正常な感覚を奪って行く。
もう、どれ程の時をこうして口づけられているんだろう?
「ん、...............っは、...んぅ、ん、」
どう口づけられたいかなど、もうとっくに蕩けている私に聞いた所で分からないのに.......
ちゅ、......ちゅ、.......ちゅっ......と、信長様の口づけは止まない。
「ん、..........んっ.........っぁ、はっ、」
「その顔、愛らしいな」
「ぁっ、......んぅ......も、....苦し......」
まさにされるがまま?な私..........
もう飲みきれない二人の唾液はだらしなく口から漏れているけど、信長様はそれも舐め取りまた舌を絡めてくる。
「二日分のツケが溜まっておるからな。まだまだだ。貴様が全然足りん」
ちゅ、ちゅ、ちゅるっ......
「んん、......っ、.....ん、」
昨日は確か........別々の部屋で過ごし、恋文を交わし、お互いの思いを募らせた。
ちゅく、ちゅ、ちゅく........
「んっ.........」
そして今日は、恋仲になって初めての逢瀬へと出かけて、手を繋いだ。
ちゅっ、ちゅる、じゅるっ........
「はっ、.........ん...」
いわゆる手順を信長様はふんでくれたけど、
ちゅーーーーーーーーーーっ
「んぅーーーーー!!」
その次の口づけが濃厚すぎるーーーー!!!
(恐るべし信長流)